2026.06.23
社員インタビュー

羽田 朱音
(はだ あかね)
2020年Hakuhodo DY ONE新卒入社。現在、クリエイティブ本部のデザイナー/アートディレクター。これまで、教育・金融・保険・インフラ・アパレル・自動車・映画など、幅広い業種を担当。デジタル領域のみならず、PRイベント・大型ビジョンや駅広告、ブランディングまで、媒体や形式を問わず様々なプロジェクトに参画。2025年度「Metro Ad Creative Award」デジタルサイネージ部門で準グランプリを受賞。

※本記事は2026年時点のものです。現在の部署名や取り組み内容は一部異なる可能性があります。
インタビュアー:
本日はよろしくお願いいたします。はじめに、羽田さんが普段どんなお仕事をされているか、いくつか具体例を教えていただけますか?
羽田:
最近の仕事でいうと、業界も内容も異なる【3つのプロジェクト】をお話するのが分かりやすいかなと思います。
羽田:
1つ目は、受験生応援プロモーションです。学習塾がハブとなり、高校生から高校生へ、励ましや応援のメッセージを届けるという企画です。
このプロジェクトでは、アートディレクター兼デザイナーとして、プロモーション用のロゴのデザイン、美術の造形イメージ、キャンペーンLP、撮影ディレクション・動画制作などを担当しました。世界観を一貫させるために、全体を見ながら作り上げました。
制作陣のキャスティングにもこだわって、チームで議論を重ねた末、「高校生の空気感を素敵に切り取れるのはこの人しかいない!」と確信できるカメラマンや監督の方に、熱意をもって直接オファーさせていただきました。
実は、予期せぬトラブルにより公開できなかったプランもあり、共に進めていたクライアントの方と、悔しくて一緒に涙したこともありました。
「ビジネスパートナー」という枠組みを超えて、一つの目的に向かって喜怒哀楽を共にするワンチームになれたことが本当に嬉しかったですね。
今後は、この施策をより多くの人に知ってもらうための拡散の仕組みづくりにも挑戦したいですし、全国各所の高校生にもこの取り組みを届けていきたいですね!
羽田:
2つ目は、国内最大級のファッションイベントにおけるデザイン制作です。キービジュアルの制作から、IPの世界観を形にするコラボステージの監修まで担当しました。
このプロジェクトで重視されたのは、スピード感と圧倒的な物量への対応でした。短期間で大量の素材が必要な中、ポスターやグッズなどへの展開も前提に素材設計をおこないました。
さらに、IPコラボステージの監修では、IPホルダーのクライアント様はもちろん、イベント運営チーム、ステージスタッフ、そして出演者の方々とも連携して作り上げました。
衣装合わせの時に「帽子の装飾のサイズはどれがいいか?」といった細部に至るまで、デザイナー視点で突き詰めましたね。
エンタメ領域ならではの「短期戦で最大風速を出す」という、熱量の高い現場での経験は大きな学びとなりました。
羽田:
3つ目は、クライアント企業内のAI活用を促進するプロジェクトです。社内のDXコンサルティングチームと連携し、デザイナーとしての立場からサポートしました。
ここでの役割は、単に「AIツールを使ってください」と広めるのではなく、「社内でAIを使うマインドをどう浸透させるか」という、インナーブランディングに近い領域です。
こうした活動を続けるうちに、最近では他部署の方から「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させるためのワークショップをしてほしい」とった新たな依頼もいただくことも増え、講師も務めています。
「画像生成AI活用のコツ」や「画像の見方・考え方」など、自分なりの手法をいろんな方々に還元することも仕事の一つとなっています。
AIとの共創が当たり前になった今、「デザインの思考プロセスを言語化してAIに伝える」ことは重要ですが、難しいことでもあります。デザイナーという専門性を活かして、クライアントの皆様の可能性を広げる一助となれたのではないかと思います。
羽田:
ほかにも様々な案件に携わっていますが、今回は主に就活中の皆さんにとってイメージが湧きやすいと思うものを挙げてみました。少しでも参考になればうれしいです。

インタビュアー:
ここまで直近の仕事についてお伺いしましたが、入社1-2年目はどんな仕事をしていましたか?
羽田:
入社後すぐに規模の大きい案件に携わることになりました。
当時リリースされたばかりの「H-AI EYE TRACKER」(当社独自の技術で開発したアイトラックAIを活用し、人の注視箇所を予測・可視化して訴求力の高い広告動画を制作するサービス)を使ったクリエイティブ改善プロジェクトなど、入社したての自分にとってはかなり「背伸び」が必要な環境に早い段階から身を置けたと思います。最終的には3年目まで担当し、かなり思い入れのある案件となりました。
インタビュアー:
ほかに印象に残っているプロジェクトはありますか?
羽田:
自動車メーカーの案件や、大手電力会社との新会社設立プロジェクトでワークショップからロゴ制作、ブランドガイドの整備まで関わったり、ほかにもファッションブランドの立ち上げに携わったりと、ジャンルの違う仕事を並行して経験できたことが、自分の基礎体力になっていると強く感じます。
インタビュアー:
ここまでお話を伺って、かなり幅広い業務を担当されてきたと感じます。そこで、羽田さんにとっての「Hakuhodo DY ONEのデザイナーの仕事」とは、抽象的な表現をすると【どんな仕事】だと思いますか?
羽田:
私の中では、「つくる=翻訳する」という感覚が強いです。
クライアントの想いや、社内で一緒に働くクリエイティブプランナーの意図、そしてブランドの根幹にある価値をしっかり受け止めて、それが生活者に最も伝わる形へと「翻訳」することが、私たちの仕事だと思っています。
インタビュアー:
そのために、羽田さんが普段大切にしていることや、努力されていることがあれば教えてください。
羽田:
「ロジカルに組み立てること」を大切にしています。例えば、クライアントから「もっと目立たせてほしい」という要望をいただいた際、それを感覚で作るのではなく、論理的に分解して、コントラストや色など、何が必要かを考えて最適なデザインを生み出すようにしています。
また、「アイデアを具現化すること」もデザイナーの大きな役割だと思います。情報だけでなく、「素敵」「かっこいい」というような想いや感情まで含めて、相手に届く形に整えていく。そういった丁寧な積み重ねが、最終的には生活者の“態度変容”までつながると思っています。
インタビュアー:
Hakuhodo DY ONEのデザイナーの仕事の【大変なこと】はなんですか?
羽田:
一番は、学び続けることですね。
経験したことのない新しい課題をいただくことも多いですし、Hakuhodo DY ONEは対応領域が広いので、常にいろいろなことを同時進行で考えないといけない。
例えば、新しいサービスのローンチに合わせてHTMLの知識を習得したり、権利関係や制作費の管理といった「ビジネス視点」を常に意識したり。「ポスターを極める」みたいに、一つの表現だけを突き詰めるような、分かりやすい一本道ではない大変さがあるかもしれません。
でも、だからこそ、自分のデザイナーとしての幅が広がっていく。それがこの仕事の面白いところでもありますね。

インタビュアー:
大学時代の経験についても教えてください。
羽田:
大学時代は「平面のデザインをマスターすれば、立体も空間も全部できるようになるはず。視覚デザインって最強じゃない?」という感覚でグラフィックデザインを学んでいました。今振り返ると、かなり暴論ですけどね(笑)。
自室でコンクリートを固めてみたり、ロウで造形してみたり、とにかく自分の手を動かして実験してみることが好きでした。制作に熱中しすぎて「窓を開けなさい!(喚起しなさい!)」って親に怒られたこともあるくらい(笑)。
現在も、難しい課題に対して「できない」ではなく「できる方法」を探す傾向にあるのですが、この楽観的なチャレンジ精神は、学生時代の自由な制作経験からきている気がします。
授業では、WEB・造形・ブランディング・タイポグラフィなど、いろいろ触れましたし、コーディングも経験しました。
その経験が、今の仕事で仕組みや制約条件を理解する上で役立っていると思います。
インタビュアー:
その後Hakuhodo DY ONEに入社された羽田さんですが、入社してよかったことを教えてください。
羽田:
一番は、若手のうちから大きな裁量を任せてもらえることです。意見を求められる場面が多いので、受け身でいると置いていかれちゃうという心地よい緊張感がありますね(笑)。
でも、自分から「やりたい!」と手を挙げれば、いくらでもチャンスをもらえる環境だと思っています。
また、チームワークの中で、個々の得意分野を理解した上でアサインしてもらえるのもありがたいです。例えば、スチール撮影のディレクションなど、入社前までにイメージしていたデザイナーの領域を越えて、新しい仕事に挑戦できる場面も増えました。
インタビュアー:
入社以来、数々の活躍をされてきた羽田さんですが、直近の1年間を振り返って、新たな学びはありましたか?
羽田:
この1年は、制作費や法規制、利害関係、コンプライアンスなど、制作における「制約条件」と向き合う場面が増えました。でも、そういった制約を正しく理解したからこそ、壁を乗り越え、最適な方法にたどり着けるようになったと思います。
デザイナーの役割は単に「ガイドライン上NGだからNG」と線を引くことではありません。あらゆる制約も理解した上で、目的を達成するための道のりを丁寧に整備していくことが必要だと実感しました。
また、マネジメントという面でも誰かと一緒に進めることが増え、デザイナーとしての手数も増えました。自分の中の引き出しが明らかに増えた実感を持てた密度の濃い1年でした。
インタビュアー:
では、入社7年目を迎えた羽田さんが、いま最も大事にしていることはなんでしょうか?
羽田:
大学時代の話とも繋がりますが、「できない」と言わないことです。
もちろん物理的に不可能なこともありますが、多くの場合は「できる方法」を集めていけば、必ず前に進めると思っています。
AIも、ネットも、周りの仲間の力も。使えるものは全部使って、まずはベストな方法を探すようにしています。これは、自分に対してだけじゃなく、チームのメンバーにとっても大事なことだと思っています。
例えば、後輩が困っているときは助けますが、あえてすぐに手を出しすぎないように気をつけています。まずは様子を見て、本人が自力で「できる方法」を見つけて乗り越えていけるような余白も残してあげたいなと思っています。

インタビュアー:
Hakuhodo DY ONEのクリエイターに不可欠なスキルはなんだと思いますか?また、どんな人が活躍できると思いますか?
羽田:
「受け身にならないこと」は大前提だと思います。どんな仕事からも、能動的に自分なりの学びを見つけられる人は活躍できると思います。
あとは、「好き嫌いしないこと」。デジタルもアナログも、トーンも領域も仕事相手も、食わず嫌いをせず面白がって吸収できる人の方が、結果的に成長のスピードが速い気がします。
そして何より、「人と作るのが好きなこと」。
先輩にどんどん相談してフィードバックを自分から取りに行ける人は、Hakuhodo DY ONEという環境の中でどんどん上手くなっていきます。
インタビュアー:
それでは最後に、Hakuhodo DY ONEのクリエイターを目指す皆さんに、メッセージをいただけますか?
羽田:
もしHakuhodo DY ONEでクリエイティブに挑戦したいなら、自分の制作物に対して「このクオリティで本当に納得できるか」を問い続けて、学生のうちから自分の中の基準を磨いていくと良いと思います。
就活に関しては、ポートフォリオに「自分の色」や「こだわり」が入っていることが大切だと思うので、その視点をもって頑張ってほしいです。
私が就活生だったときは、アナログのポートフォリオが主流で、リングノートの紙質もかなりこだわったのを覚えています。専門店でしか売ってないスケッチブックを切り取って作ったりしました。そこが当時の私のこだわりであり、一番見せたいところだったので、かなり工夫しましたね。
今はデジタルが主流で方法は異なると思いますが、なんとなく課題で作ったものを並べるだけではなく、どこにこだわったのか、何を大事にしたのかが伝わるようにしてほしいと思います。
学生生活、最後の1年はいっぱい遊ぶのも良いと思います(笑)。
私は卒業制作に集中したくて、バイトを辞めた時期もありました。そんなふうに、自分が納得できる時間の使い方をすることが、将来の「引き出し」になると思います。


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